「彼は、サッカーの試合を見に行ったが退屈な試合だった」
この文、何か違和感ありませんか?
なかなかすっきりした文章が書けない。
自分の文章に違和感を感じる。
これは、主語と述語が「ねじれ」ている可能性があります。
主語と述語の関係が不適切だと、とても分かりにくい文章になります。
そこで、主語と述語のねじれ改善のコツを解説します。
目次
文章の基本、主語と述語の関係
まずは文章の基本、主語と述語の関係をおさらいしましょう。
「何が(は)どうする」
「何が(は)どんなだ」
「何が(は)なんだ」
「何が(は)」に当たる部分が主語、「どうする」「どんなだ」「なんだ」に当たる部分が述語です。
最もシンプルな文章
「彼は走った」主語 + 述語
これに修飾語が付いた文章
「彼は軽快に走った」主語 + 修飾語 + 述語
ほとんどの場合、文章には修飾語が付くので、主語と述語を見分けにくくなります。
ねじれ文が起きる理由
1.彼の趣味は、料理をします。
2.彼の趣味は、料理をすることです。
この2つの文章を読んでどうおもいますか?
一つ目の文章は違和感ありますよね。
これは主語と述語が「ねじれ」ているからです。
日本語は述語から考えます。
1の文章では「料理をします」が述語で、対する主語は「彼の趣味」です。
「趣味」は「します」では、文章が成立しません。
そこで、2の「彼の趣味は、料理をすることです」となります。
「趣味」は「することです」ということで文章が成立しますね。
このようなシンプルな文章では分かりやすいんですが、実際には日本語は複雑です。
文章の種類、単文、重文、複文
文章は「単文」「重文」「複文」の3種類あります。
- 単文:「私はラーメンが好きだ」
- 重文:「私はラーメンが好きだが、彼はうどんが好きだ」
- 複文:「私は、彼が作ったラーメンが好きだ」
単文は一つの文の中に、主語と述語が一つのペアで単純な構造です。
重文は一つの文の中に、複数の主語と述語のペアが並列に並んでいます。
複文は一つの文の中に、複数の主語と述語が並列ではなく入れ子のような構造になります。
このように、重文と複文は複雑な構造になり、主語と述語の関係が分かりづらくなるんですね。
さらに日本語の場合、主語を省略することがあるので複雑になります。
例えば、会社のミーティングで
「失敗を恐れてはいけない」といった場合の主語はなんでしょう?
文の中にはなく「私たちは」という主語が省略されています。
主語と述語の係り受け
主語と述語は係り受けの関係にあります。
主語は常に述語に係り、述語は主語を受けるようになっています。
彼は本を読む。
という文の場合、述語「読む」が、主語「彼」を適切に受けているので違和感のない文章になっています。
この係り受けのルールが崩れると、違和感のある文章になり誤解をまねく恐れがあるのです。
要するに、主語と述語の係り受けの関係に注意すれば、文章の「ねじれ」は発生しません。
解決策のポイント4つ
文章のねじれを解決するコツを4つお伝えします。
主語と述語だけで意味が通じるか確認する
悪文:彼は、サッカーの試合を見に行ったが退屈な試合だった
何となく違和感ありますね。
こういったときに、主語と述語だけで文が成り立つか確認します。
主語は「彼」述語は「試合だった」これをつなぐと「彼は試合だった」
おかしいですね。
そこで述語を「試合だと感じた」に変えると「彼は試合だと感じた」になり文が成立します。
良文:彼は、サッカーの試合を見に行ったが退屈な試合だと感じた。
修飾語を短くする
悪文:彼の目的は、昨日買った黒いケースに入った電卓を取り出して、机の上の書類の計算をした。
さすがにこんな文章を書くことはないと思いますが、無駄な修飾語が多く、主語と述語もねじれています。
修飾語はできるだけシンプルに短くすることがポイントです。
良文:彼の目的は、電卓を取り出して書類の計算をすることだった。
文が長すぎるときは分ける
悪文:わかりやすい文章にするには、初心者は一つの文に一つの情報を限定して書くことが基本ですが、あまり短い文が続くとつながりが悪くなり幼稚なイメージになるので、一文の長さをを20~50文字程度にしましょう。
主語と述語が理解しにくく、読みにくい文章ですよね。
こういった場合は、文章を分けると理解しやすくなります。
良文:わかりやすい文章にするには、初心者は一つの文に一つの情報を限定して書くことが基本です。ただし、あまり短い文が続くとつながりが悪くなり幼稚なイメージになります。そこで、一文の長さをを20~50文字程度にしましょう。
主語と述語を近づける
悪文:彼はA班の能率が悪いので、製造と梱包作業に無駄がないか過去3か月のデータを徹底的に分析した。
主語の「彼」と述語の「分析した」が離れすぎているために、わかりずらい文章になっています。
そこで、主語と述語を近づけた文に改善すると、
良文:A班の能率が悪いので、製造と梱包作業に無駄がないか彼は過去3か月のデータを徹底的に分析した。
まとめ
主語と述語のねじれ改善のコツについて
- 主語と述語の関係は
「何が(は)」に当たる部分が主語、「どうする」「どんなだ」「なんだ」に当たる部分が述語である - ねじれ文が起きる理由は
重文・複文など複雑な文章で主語と述語の係り受けがうまくできない - 解決策のポイント4つについて
主語と述語だけで意味が通じるか確認する
修飾語を短くする
文が長すぎるときは分ける
主語と述語を近づける
を解説しました。
要するに、文章のねじれを解消する秘訣は、シンプルな構造にすることです。
そして、主語と述語を近づけることで分かりやすい文章になります。
さらに、読者に伝わる文章にするには、構成が大事です。
構成については、こちらの記事を参考にしてください。↓