家計を見直す時に、まず取り上げられるのが保険。
「保険の見直しってしないといけないの?」
そもそも「保険って必要なの?」
ということで、保険についての注意点を取り上げます。
目次
保険はリスクに対する備え
今回は民間の保険について考えます。
生命保険や損害保険、火災保険、学資保険などありますが、保険は将来予想されるリスクに備えるためのものです。
リスク対応の方法は、リスクに合わないようにする、あるいは予防するのが理想です。
ですが、実際に経済的な損失が発生することは考えられます。
そういったリスクに備える考え方を「リスク・ファイナンシング」といいます。
リスク・ファイナンシング(経済的なリスクに備える)って
経済的な損失に対応するための費用を調達する手法。
考え方として2種類あります。
保険は自分でリスク費用をカバーできない部分を、保険会社に負担してもらうという考え方です。
保険の基本は3種類
保険は基本的には下記表の3種類です。
実際は、これに各種特約が付いているケースが多いです。
例えば、終身保険で終身の保障金額を低くして定期特約保険を上乗せする「定期特約付き終身保険」などがあります。
保険の種類 | 保険の内容 | どんな人に |
定期保険 | 一定期間内の死亡・高度障害に対してのみ保険金を受け取れる。 解約返戻金は基本的にない。 保険料は安い。 満期後の保障の更新ができる。ただし保険料が上がる。 |
子供が成人するまでなど、一定期間保障を厚くして割安の保険にしたい。 貯蓄機能は考えない。 |
終身保険 | 保険期間が一生涯で、死亡した場合のみ死亡保険金を受け取れる。 解約返戻金がある。 保険料は定期保険に比べ高め。 満期はない。 |
生涯保障が欲しい。 貯蓄も兼ねたい。 高額の保険料が払い続けられる。 |
養老保険 | 保険期間は一定で、その間に死亡した場合は死亡保険を受け取れる。 満期までは生存した場合は、満期保険を受け取れる。 解約返戻金がある。 満期後の保障の更新はできない。 保険料は一番高い。 |
保障をつけながら貯蓄したい。 子供の学費や老後資金の貯蓄。 ただし貯蓄機能優先なら他の金融商品との比較が必要。 |
保険を見直すタイミングはライフステージに合わせて
保険はそれぞれ保障内容に特徴があるので、ライフステージによって必要なものが変わってきます。
そこで、定期的に保険の見直しが必要になります。
独身期 | 結婚資金の準備 レジャーの代金 将来のための資金 |
家族形成期 | 出産資金 教育資金の準備 住宅資金の準備 |
家族成長期 | 教育資金 住宅取得資金 老後、将来の準備資金 |
壮年期 | 住宅ローンの繰上げ返済 教育資金の追加 生命保険の見直し |
熟年期 | 老後資金の準備 医療保険の見直し |
老後 | 老後資金の運用 病気・介護への備え 相続対策 |
子育て時は、保険料が安くて一定期間保障を厚くできる定期保険を選択する場合が多いかもしれません。
しかし、ライフステージが変われば、別の選択肢も考えれます。
特に壮年期から熟年期にかけて子育て負担が減ってきたタイミングで、退職後を見据えて保険の見直しと資産形成を考えるようにしましょう。
予定利率と返戻率をチェックする
保険を見直す時に注意するポイントとして、「予定比率」と「返礼率」があります。
保険の予定利率って何?
保険会社が保険料の決める要素は下記の3つです。
予定利率は保険会社が集めた保険料の運用益を予測して、契約者に対して約束する利回りです。
この利率が高ければ、保険料が安くなり、返戻率も高くなります。

こちら生命保険協会のサイトが参考になります。
生命保険の基礎知識 | 生命保険協会
予定利率は1990年代以降右肩下がりの傾向なので、貯蓄型の保険は切り替え時に注意が必要です。
予定利率 | 保険会社が集めた保険料運用益の予測 | 高いほど保険料が安くなる |
予定死亡率 | ある年齢の人が1年間に死亡する確率 | 低いほど保険料が安くなる |
予定事業費率 | 保険会社が保険事業を運営するのに必要な経費 | 低いほど保険料が安くなる |
返戻率もチェック
貯蓄型の保険は、解約時の返戻金を意識して見直す必要があります。
予定利率が高い時期の保険は、返戻率が高い傾向にあるのでチェックしましょう。
保険担当者に勧められたからと言って、簡単に切り替えるのは避けるべきです。
まとめ
保険は将来予測される経済的なリスクに備えるものです。
それぞれのライフステージで求められる保障は変わり、また掛けられる費用も違います。
そこで、定期的に保険の見直しが必要になります。
また貯蓄という意味で考えるなら、保険以外の手段の方が効率的な場合が多いです。
保険の見直しの際は、次のこのに注意しましょう。
- それぞれのライフステージで本当に必要な保障を考える。
- 公的保険(国民健康保険・健康保険)の内容も考慮に入れる。
- 保険に掛けられる費用(続けられるか)を考える。
- 貯蓄や投資として考える場合は、保険以外の手段と比較する。
- 予定利率と返戻率をチェックする。
事故などで損失が発生した時に、貯蓄などで備え自分で費用を負担する。
事故などで損失が発生したときに、他社に負担してもらう。
(生命保険や損害保険など)