片付けない収納の秘訣(後編)
マイナスをゼロにする作業に縛られないために
前編では、「使うものを使う場所に置く」ことで時間に追われない自由生活が手に入る。
そして、そのためには整理整頓の本当の意味を理解することが必要ということを学びました。
後編では、プログラムの核芯部分
片付けない収納って何なのか?
なぜ時間に追われるのか?
整理整頓の本当の意味は?
について解説していきます。
では、片付けない収納って何?ということから始めます。
1.片付けない収納ってなに?
⑴片付ける時間がない?
「片付ける時間がない」
「片付けるのは面倒くさい」
私は面倒くさがりだから片付けに向いてないって思いませんか?
実は、これ発想が逆なんです。
機能的に整理整頓された家にすると、片付けの手間もなくなります。
なぜ片づけが必要なのか?
そもそも、片付けない方法はないのか?
片付けが面倒くさいと思うのは、片付けが目的になっているからです。
片付ける目的は
「部屋をきれいしたい」
「お客さんが来る」
「気分を変えたい」
などあると思いますが、これらはすべて片付けることが「ゴール」になっています。
私たちが目指すべきは、片付けに追われることのない生活、そして理想のライフスタイル実現のために生活を機能的にすることです。
さらに整理された機能的な家は、経済的メリットもあるのです。
よく、買い物してから
「あっ、これ以前買ってあった」
とか
「これ買ったけど全然使わないな」
ってモノがありませんか?
片付けない収納メソッドを実行していただくと分かるのですが、自分の必要なモノを理解して、機能的な家が実現すると無駄なモノを買わなくなります。
そして買うときの意識が高くなると、モノを大切にする習慣が身に付きます。
⑵片付けない収納って?
プログラムの名前にもある「片付けない収納」
部屋を片付ける時をイメージしてください。
散らかったものを元の場所に戻す。
でも、2,3日すればまた散らかる、そしてまた元の場所に戻す。
これの繰り返しになっていませんか?
私はこれを繰り返していました。
「片付け」というと、マイナスをゼロに戻す作業。
これから私たちが目指すのは、それじゃなく機能的な「ライフスタイル」にすることです。
ただ単に部屋をキレイにすることが目的ではありません。
「整理整頓」という言葉はご存じだと思いますが、この意味は意外と説明できないんですよね。
後ほど詳しく解説しますが、
整理:要不要を選別して不要なモノを省く
整頓:モノの定位置を決めて整える
という意味があって整理→整頓の順番なのです。
ちなみに、よく似た言葉で収納、片付けが使われますが、
以下のような意味があります。
収納:モノを使いやすいように収める
片付け:使ったモノを元の位置に戻す
で、整理→整頓→収納→片付け の流れがスムーズにできれば、マイナスをゼロにする作業に縛られる日々から解放されます。
このプログラムは、片付けは面倒なマイナスの作業という固定概念をなくして、生活を機能的にするプラスの作業に変えることが目的の一つです。
そして、日々のライフワークの中で自動的に片付く仕組みづくりをします。
そのために必要なのが土台(考え方)づくり。
「片付けない収納」は収納テクニックではなく、考え方を含めたライフワークです。
表面的なテクニックでは、リバウンドします。
最短で自分にとっての理想生活を目指すのが、このプログラムの目的なのです。
2.時間に追われる理由、ズボラ体験談
⑴なぜ時間に追われるのか
「忙しいからでしょ」と言われそうですが、どれだけ忙しくてもスケジュール管理をしてゆとりある生活をしている人がいます。
どこに差があるのでしょうか?
前編でも話しましたが、私は元来ズボラで片付けが苦手です。
独身時代は借上げの社宅生活だったのですが、部屋は散らかっていてモノに埋もれて生活していました。
そんななので、出かける時や仕事をするときには、物を探すことからスタート。
また、人が来るときは慌てて片付けるというムダな時間が多かったのです。
当時の私は、まったく計画性なく生活をしていました。
初めての一人暮らしと仕事で、とにかくその日その日を乗り切ろうという感じだった記憶があります。
こうなると生活も部屋も乱れますよね。
大事なのは、どういう生活をしたいかという方向性がはっきりしていること。
そして「何をしないか」「何を持たないか」の基準を持つこと。
これが効率的な生活と整理整頓のスタートです。
⑵ほとんどのことは思い込み
とは言え、そもそも私は「片付けが苦手だ」「計画することが嫌いだ」
という方もいるでしょう。
このプログラムは、何歳からでも「片付けない収納」で理想的な生活を手に入れることが目的です。
例えば、子育て世代で共働きだと、子育てや家事、仕事に追われて時間もお金も余裕もないよ
という生活になってしまいがちです。
こんな状態で理想的な生活なんてできないというのは、
「忙しいから」「お金がないから」できないという思い込みです。
機能的な家にして快適な生活と言われても「私は片付けが苦手だし」いうのも、
思い込みの影響が強いのです。
苦手意識は、思い込みを外すことで克服できます。
ほとんどの苦手意識は、思い込みにあります。
いくつか見ていきましょう。
□客観的でなく、思い込みの真実
私は、話すことが苦手だという人でも、家族や親しい友人とは普通に話せたりします。
食わず嫌いというのもありますね。
子供のころから苦手だったピーマンを、大人になって食べてみたら好物になった。
なんてことはありませんか?
過去の何らかの経験で、客観的な事実でなく思い込みの事実が刷り込まれているのです。
□偽薬で病気が治る?ブラシーボ効果
よく病は気からと言います。
実際、偽薬を使った実験で3割くらいの人で鎮痛効果が出たという結果もあるようです。
こういった効果をプラシーボ効果というのです。
これは思い込みの効果ですね。
思い込みと言えば、陸上の100メートル走で日本でも9秒台が次々記録されています。
以前は、長く日本人は9秒台の壁がありました。
トレーニングやシューズの進化もあるでしょうが、桐生選手が9秒台を出してから立て続けに記録が出ました。
これも精神的な部分があると思われます。
□些細なことですべてそうだと決めつける
初恋の人に告白してフラれた
⇒どうせ今回の人にもフラれるだろう
初めての面接で失敗して落選した
⇒いくつ面接してもまた落選するだろう
このように思ったことありませんか?
一度や二度の些細な出来事を常に起こると思い込んでしまうことを「一般化」と言います。
この一般化が、客観的な判断を狂わせるのです。
苦手意識は、こういったケースがほとんどなのです。
□環境や定説で刷り込まれる
「私はA型だから…」っていう血液型性格説ありますよね。
結構当たっているんですこれが。
ただ、科学的根拠はあまりないようです。
どんな性格の人でも共通することがあり「あなたはこうだ」と言われると思い当たる節があったりします。
これを自分の血液型特有のものととらえてしまうのが「バーナム効果」という心理。
そして、私はA型だからこういう性格というのが刷り込まれ、A型の特徴をふるまうようになるのです。
また仲のいいグループでの女子会。
同じグループで常に話し合っていると、そのグループでの話題や考え方が刷り込まれ、あなたの行動に影響を与えます。
例えば、ある人気タレントのいいところの話題でいつも盛り上がっていると、そのタレントに関心がなかったのに興味がわいてくる。
このように、私たちは環境や定説に大きな影響を受けているのです。
いかに思い込みが、影響しているということが分かっていただけたと思います。
この思い込みをなくすためのステップが
⑴ 自分を客観的にみる→
⑵ 過去の出来事を肯定する→
⑶ 今の自分がやるべきことに集中する
ことです。
ここまでをまとめると、
・方向性を決めて「何をしないか」「何を持たないか」の基準を持つ
・思い込みを取り省いて、今やるべきことに集中する
この2点はプログラムの核になります。
3.効率的な整理収納は動線とアクション数
片付けても、片付けても、すぐ元通り散らかってしまう。
これは根本的な整理整頓ができていないからなのですね。
ここで、部屋が散らかるメカニズムを考えてみます。
ケース1:収納スペースに対してモノが多すぎる
単純にモノが多すぎて、しまうスペースがないので散らかるパターン。
たくさんストックがないと不安、捨てるのがもったいない、セールなどお得感に負けて買ってしまう。
結局、モノの管理ができていないので同じものを買ってしまう。
これらの理由でモノが増えてしまいます。
また、収納スペースが足りないからと言って、収納ケースなどを買い足すとどんどん部屋が狭くなり、さらにモノであふれてしまうので注意。
ケース2.収納場所・方法が悪い
せっかく収納スペースがあっても、場所が悪かったり、収納方法が悪かったりするとやはり散らかります。
極端な話、一階でよく使うものが二階にあると、二階までしまいに上がらないでしょう。
また、引き出しの中に蓋つきの箱で収納していると、出し入れにアクション数が多すぎて使った後にしまわなくなります。
要するに、使うモノが適切な量で、適切な場所に、適切な方法で収納されていれば片付けの手間がなくなります。
先に少し整理整頓の言葉の意味について触れました。
整理整頓という言葉は、実は意味が深くてこの言葉を理解することで、正しい順序で作業が進みます。
そして、片付けに追われる日々から脱却できるのです。
では、あらためて言葉の意味を整理しましょう。
整理整頓と収納、片付けの意味は
整理:要不要を選別して不要なモノを省く
整頓:モノの定位置を決めて整える
収納:モノを使いやすいように収める
片付け:使ったモノを元の位置に戻す
整理とよく似た使い方がされる「収納」と「片付け」も使い分けて考えるとより理解しやすいです。
□整理がすべての始まり
乱れた状態にあるものを整えてきちんとする、無駄なもの不要なものを処分する。
という意味がある整理ですが、整理整頓でいう整理は要不要を選別して取り省くことをいいます。
この段階を飛ばして片付けても根本的な解決になりません。
要不要の選別がスタートです。
□整頓は動線に沿った位置を決める
散らかったものを整った状態にするという意味の整頓。
ポイントはモノの定位置を決めて整えることです。
使う場所、取り出しやすい位置に定位置を決めることで片付けの負担がなくなります。
そのためには生活動線を考えましょう。
□収納は分かりやすさとアクション数を意識する
いろいろなテクニックがテレビや雑誌で紹介されている収納。
モノを使いやすいように収めるという意味があります。
不要な物を取り省き、適切な収納場所が決まればここで収納テクニックが生きてきます。
ポイントはどこに何があるかすぐ分かるように、そして出し入れ時のアクション数を少なく。
□片付けは戻すことを習慣にする
片付けは使ったモノを元に戻す作業。
これまで、作業の工程順に解説してきたのですが、整理→整頓→収納までが出来上がっていれば片付けは手間がかかりません。
あとは使ったモノを元に戻す習慣をつけるだけです。
ここまでくるともう片付けに追われることはなくなります。
整理→整頓→収納→片付け、この順番が大事なのです。
不要なモノを取り省き、生活動線にかなった適切な場所に、わかりやすく能率的に収める。
この工程をいかに作るか、そして使ったモノを元に戻す習慣をつける。
ここまでをまとめると
- 片付けない収納は、片付けることがゴールではなく、理想のライフスタイル実現のために生活を機能的にするライフワーク
- 生活の方向性を決めて「何をしないか」「何を持たないか」の基準を持ち、思い込みを取り省いて今するべきことに集中する
- 整理整頓の本当の意味を理解して、整理→整頓→収納→片付けの手順で作業を進める
(前編)(後編)で「片付けない収納の秘訣」の核心部分について解説しました。
片付けに追われることをなくすためには「本当の意味での整理整頓」が大事だと理解いただけたのではないでしょうか。
そして効率的でプラス思考のライフスタイルに繋がてください。
最後に、ここまでお付き合いいただいた方に、前編で触れました電子書籍『あなたはもう時間に追われない「片付けない収納」で自由生活メソッド』で紹介している無料特典(ワークシート)をご用意しております。
特典1:モノの適正量試算表
それぞれのモノを所有する適正量が決まらないと、整理整頓がスムーズに進みません。
モノの適正量を決める時に、この試算表を活用してください。
特典3:自分再発見シート
自分棚卸ヒストリーシートを元に、自分再発見シートを作成してください。
自分軸が設定できます。
あなたも今日から部屋と心の整理整頓に取り組んでくださいね。
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下記に目次を紹介させていただきます。
それでは、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
目次
序章:
1章:片付けない収納ってなに?
⑴片付ける時間がない?
⑵片付けない収納って?
2章:時間に追われる理由、ズボラ体験談
⑴なぜ時間に追われるのか
⑵ほとんどのことは思い込み
3章:片付けない収納メソッド4ステップ
ステップ1:急がば回れ「自分棚卸ヒストリーシート」で自分再発見
ステップ2:意識すると引き寄せる「理想実現シート」
ステップ3:効率的な整理収納は動線とアクション数
ステップ4:三日坊主でもできた習慣化、たった3つコツ
4章:家を機能的にするのは、人生を豊かにする手段
⑴機能的な家が、無駄な時間やストレスをなくす
⑵「しなければならない」は危険!
⑶何のためにするのか?
終章
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