客観的に文章を書いたつもりが、相手にうまく伝わらない。
どうしたらうまく伝わる文章が書けるのか?
それは、論理的に文章が書けていない可能性があります。
そこで、この記事では論理的な文章とはどのようなものか、
そして、どう書けばよいのかの秘訣『演繹法・帰納法』について解説します。
目次
論理的な文章とは
そもそも論理的な文章ってなんだろう?
ということですが、以下の3点がそろっている状態の文章です。
- 明確な主張があること
- 主張に論拠があること
- 論拠が主張を適切に支持していること
順番に解説します。
明確な主張があること
何を主張したいか、テーマがはっきりしないと論理的に話を展開することはできません。
誰に何を伝えたいのか?
ということが、一番大事な部分です。
主張に論拠があること
次に主張がはっきりしていても、論拠が抜けている場合。
これは、独りよがりで読者に意味が伝わらない文章になります。
論拠が主張を適切に支持していること
主張に対して論拠が説得力があるか。
論拠を示していても、主張との関係があいまいだったり、飛躍しすぎていると説得力に欠けます。
主張と論拠の関係が適切であることが大切です。
なぜ論理的な文章にならないのか
では、なぜ論理的な文章にならないのか。
以下の3点について解説します。
- 話の順番が違う
- 必要な説明が足りない
- 論拠が飛躍しすぎている
順番に解説します。
話の順番が違う
話の順番が違うと伝わりにくい文章になります。
悪文:
1.家を早く出よう
2.今日は雨だ
3.雨の日は道路が渋滞する
良文:
1.雨の日は道路が渋滞する
2.今日は雨だ
3.だから、早く家を出よう
必要な説明が足りない
主張を説明する説明が抜けていると、結論が伝わりません。
悪文:
1.今日は雨だ
2.だから、早く家を出よう
良文:
1.雨の日は道路が渋滞する
2.今日は雨だ
3.だから、早く家を出よう
論拠が飛躍しすぎている
主張を説明する論拠が、飛躍しすぎていると納得されません。
悪文:
1.今日は雨だ
2.雨は嫌だ
3.彼が機嫌が悪いのは、雨のせいだろう
この文章は、雨降りと彼に機嫌が悪いことの因果関係が飛躍しすぎていて説得力に欠けます。
基本的な論理パターン演繹法・帰納法とは
論理的な説明方法の最も基本的なものに、次の2つがあります。
- 演繹法(えんえきほう)
- 帰納法(きのうほう)
順番に解説します。
古代から続く三段論法、演繹法(えんえきほう)
演繹法は、いわゆる三段論法で古代から受け継がれる基本中の基本の論理パターンです。
特徴は、2つの情報を関連付けて必然的に結論が導き出されることです。
- 大前提:雨の日は道路が渋滞する
- 小前提:今日は雨だ
⇩ - 結論:だから、早く家を出よう
「雨の日は道路が渋滞する」という大前提と「今日は雨だ」という小前提の関係から、「早く家を出よう」という結論を導きだしています。
複数の事実から結論を導く帰納法(きのうほう)
帰納法は、複数の観察事項から共通点を探り結論を導き出す手法です。
導き出される結論が、1つとは限りません。
- 小前提1:雨の日は、学生の送り迎えが多い
- 小前提2:雨の日は、マイカー通勤が増える
- 小前提3:雨の日は安全運転の人が多い
⇩ - 結論:よって、雨の日は道路が渋滞するだろう
「雨の日は、学生の送り迎えが多い」「雨の日は、マイカー通勤が増える」「雨の日は安全運転の人が多い」という3つの観察事項の共通点(道路上の自動車が増える)から「雨の日は道路が渋滞するだろう」という結論を導き出しています。
なお、この例のように、『帰納法』の結論を『演繹法』の大前提として採用されるケースが多いです。
重要な役割を果たす接続詞
補足になりますが、接続詞をうまく使うことで論理的な文章になります。
上記の例で言うと、結論部分の「だから」や「よって」という接続詞が文章の構成を支えているんですね。
ここに「しかし」などの逆接の接続詞を使う文章の意味が通りません。
接続詞には、「順接」「逆接」「並列」「補足」「対比」「転換」などの種類があります。
接続詞に関しては、下記の記事で詳しく説明していますので参照ください。↓
まとめ
論理的な文章の書き方について
を解説しました。
つまり、論理的な文章にならないのは法則にそって書けていないからです。
演繹法や帰納法を使って法則通りに書けば、読者に伝わる論理的な文章になります。
文章の勉強方法については、下記記事も参考にしてください。↓
明確な主張がある、主張に論拠がある、論拠が主張を適切に支持している
話の順番が違う、必要な説明が足りない、論拠が飛躍しすぎている
オーソドックスな三段論法の演繹法・複数の事実から結論を導く帰納法を活用する